川崎病とは、川崎富作氏によって報告された原因不明の疾患です。
5歳以下の乳幼児がかかる感染症と考えられていますが、原因はウイルス感染、細菌感染、水銀やダニ、合成洗剤など、諸説があり、はっきりしていません。
6つの特徴的な症状
川崎病は兄弟でかかったり同じ子が再発することもある病気で、6つの特徴的な症状があります。
- 39~40度の熱が5日以上続く
- 発熱と同時に手足の末端が赤く腫れる
- 発熱して2,3日後に体に不定形の発疹があらわれる
- 両目の白目が充血して赤くなる
- くちびるが真っ赤になり、舌には苺のような赤いブツブツがみられ、口の中の粘膜が赤くはれる
- 首のリンパ節が腫れる。
このうち、5つの症状がみられたら川崎病と診断します。
また、症状が4つしか見られなくても検査によって冠動脈瘤がありこれが川崎病以外の原因によると決められないときは川崎病と診断されます。
熱が下がると、やがて腫れはおさまり、はれた手足の皮膚がむけて落ちます。
川崎病の問題は?
川崎病の問題は、発熱して10日目頃からおこります。血管炎を併発して、心臓の冠動脈の一部にこぶのようなふくらみが現れ、冠動脈瘤を形成するのです。
半数近い子にみられ、3~4週目にもっとも大きくなり、その後はだんだん小さくなって消えるのがふつうです。
しかし、約20%のこどもにそのまま冠動脈瘤が残ってしまいます。
そのため、ごくまれに、心臓からの血流がとぎれ、突然死することがあります。
一般的に行われている療法
川崎病は、入院しての治療となります。冠動脈瘤の形成を防ぎ、それによる心筋梗塞を予防するため、急性期の炎症を改善する治療法です。
もっとも一般的に行われているのがアスピリン療法です。血がかたまるのを防ぎ、血行をよくする方法です。
また、ヒトのガンマ-グロブリンを静脈注射する治療法も有効とされています。
後遺症の冠動脈瘤では小児心臓病が心配されますが、血管がつまらないようにアスピリンによる抗血栓療法を行います。
大半は2年以内に冠動脈瘤が消えていきます。
残るのは患者の3%ぐらいで、冠動脈がせまくなったら、バイパス手術をして血管同士をつなげることもあります。